以前から、読んだ本の紹介をしてみたいと思っていたので、
今回から少しずつやっていきたいと思います。
「なぜ『教えない授業』が学力を伸ばすのか」
日経BP社(2016/6/30)
山本崇雄
著者は、東京都立両国高等学校・附属中学校で
主幹教諭を務めている現役の英語の先生です。
1994年から教壇に立ち、英語を教えてらっしゃいます。
2006年に両国高校に赴任し、
2011年から「教えない授業」を中1相手に始めたそうです。
「教えない授業」とは、
子どもたちの問題解決能力を育てていく教育
のことを指しています。
今までのように、
「一斉に分かりやすい講義」を行うのではなく、
「子どもたちに課題にぶつからせ、
友達と協力して解決方法を見つけさせる」
ことを主眼に置いています。
「10〜20年以内に現在の仕事の約49%が自動化可能」
と言われており、
今企業が求めているのは
「有用な情報を探し出し、それらを総合的に分析し、
新たな価値を考え、チームで形にしていく能力」
を持った人材だと言われています。
さらに、2011年の東日本大震災のような
未曾有の大災害が起きたとき、
「人間には、ゼロからスタートしなければならないときが来る。
教師がいなくても学び続ける子どもたちを育てなければならない」
このような時流の中で、文部科学省は
今の子どもたちには「従来型の学力」だけでなく
「学生が主体性を持って多様な人々と協力して問題を発見し
解を見いだしていく能動的学修」
の充実が必要だと言っています。
このことを
「アクティブ・ラーニング(AL)」
と呼んでいるのですが、
著者の山本先生はこのALを授業に取り入れ、
成功を収められているわけです。
本には
著者の教育に対する考え方が
現在に至るまでどう変わっていったか、
「教えない授業」を成功させるまでの道のり、
具体的にどのように授業をしているか
などが分かりやすく書かれています。
我々も、今後どのような教育を行っていくべきか
試行錯誤の連続なのですが、
この本はそれに一石を投じてくれました。