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「知的戦闘力を高める独学の技法」(山口周著)



将来展望型学習塾HOP高松太田

ダイヤモンド社(2017/11/15)

山口周

筆者がこの本を書いた目的は,

「知的戦闘力を向上させるための『独学の技術』」

を読者に伝授することだそうです。

筆者である山口周氏は,

20代→大手広告代理店

30代→外資系戦略コンサルティングファーム

40代→組織・人材領域を専門に扱う外資系アドバイザリーファーム

という経歴を持ちながら

学校でそれらに関することを学んだことは

一度もないそうです。

つまり,すべて独学だそうです。

これだけでも驚きですが,

著者が大学で学んだのは哲学と美術史だそうです。

この2つは

いわゆるリベラルアーツと呼ばれる領域に含まれる学問で,

「こと『直接的なビジネスへの有用性』

という点で考えてみれば,

もっとも『役に立たない』学問の代表」

と著者自身も述べています。

しかし本人は,このような学問こそ

「『知的戦闘力』に寄与する」

と述べています。

知識・情報は使ってナンボ

 

本書の前半は,独学の方法について書かれています。

まず

「独学というのは大きく,

『①戦略』

『②インプット』

『③抽象化・構造化』

『④ストック』

の4つのモジュールからなる

システムと考えることができ」るそうです。

これまでに出版された本の多くは

②について書かれたものばかり(by筆者)で,

本書では③,④についても

しっかりと書いています。

知識・情報をインプットするだけでなく

臨機応変にアウトプットできなければ

意味がないということですね。

本のタイトル間違えた?

 

本書の後半では,

独学するのに筆者がオススメする学問・分野について

書かれています。

具体的には

歴史・経済学・哲学・経営学・心理学・音楽・

脳科学・文学・詩・宗教・自然科学

といった,

いわゆるリベラルアーツと呼ばれる

領域に含まれるものです。

本人が大学でそれらを勉強したからか,

著者はやたらとリベラルアーツを推します(笑)

読み始めた頃は

「あぁ,リベラルアーツね」

って感じだったんですが,

読み進めるにつれ

「めっちゃリベラルアーツ推すやん」

って感じになり,

最終的には

独学の本というより

「リベラルアーツのススメ」

とかに改題した方がいいんじゃないかと

思うような推しっぷりです。

ただ,理解できる部分は多々あって,

情報の賞味期限が非常に短くなっている

現代だからこそ,

普遍的・抽象的な考え方は重要だと思うし,

一見ビジネス(学生なら自分の学科の勉強)とは

無関係のものを学ぶのも

ある日突然役に立ったりするものです。

個人的には

哲学をかじってみたいなと思いました。

古代ギリシャ人が

一体どんな変態的なことを

悶々と考えていたのだろうというのには

興味があります。

そういえば,高校時代

学校で覚えさせられる百人一首に対し

僕が

「なんでこんなんやらすんやろなぁ」

と友人に聞いたとき

「教養やな」

と言ってたことを今でも覚えています。


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